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なぜアパート経営は失敗するのか

なぜアパート経営は失敗するのかあれこれ

 


アパート経営は、初期投資がかかりすぎると言われます。

 

これは、当然です。


 
アパート事業が、赤字経営になりやすいのは、


収入が必ず下がるようにプログラムされているためです。

 


つまり懸命に努力しても、経年劣化は避けられませんし、


結果、入居率も下がり、家賃も下がってきます。

 


下がるのは入居率と家賃の二つで、これが同時進行します。

 

日本は、人口減だけでなく、世帯数も減り始めたために、


アパート事業は需要よりも供給のほうが多くなるような、


環境になっているのです。

 


アパートを探している入居希望者よりも、


建てられるアパートの戸数の方が多くなると、


当然、空室が埋まらなくなります。

 


まず入居率ですが、新築の魅力的な物件が、


後から建設されるため、既存のアパートの人気が下がります。

 


古いアパートはそのうち、設備に不具合が出てきますから、


修繕が生じてくる可能性が出てきます。

 

しかし、入居者は管理会社や大家さんに、


クレームをつけることを好みません。

 


設備の故障が出てくると、新しいアパートに移るように、


なりがちです。

 

 

すると、一度入居者が退去すると、


リフォーム費用がかかってきます。

 

ところが、築年数が古くなってくるとリフォームをしたとしても、


今度は次の入居者がなかなか決まらなくなります。

 


入居率80%位でまわす資金計画が崩れ、


バスやトイレ、キッチンなどのお金がかかる水回り部分が、


劣化していき、メンテナンス費用が上がっていきます。

 

 

アパートを建設して、賃貸事業をするための、


シミュレーションをしてみますと、


遺産相続などで運良く、土地が取得できたとします。

 

 

この土地の面積を80坪とします。

 

 

土地を持っているだけだと、


固定資産税などの税金がかかりますので、


アパート経営が浮かびます。

 


この土地を有効活用するために、


アパート建設計画を立てようとする場合、


どんなアパート建てようかと考えた場合、


例えば、1K×8室のアパートを建てるとすると、


5,000万円くらいの予算が必要だとします。

 

 

 

仮にアパート本体が5,000万円で、


諸費用が200万円必要だとします。

 

 

そうすると、この土地(80坪)と、


この土地に建てる60坪の木造アパート(1K×8室)を、


担保に、日本政策金融公庫から、


4800万円の融資を受けたと仮定します。

 

 

日本政策金融公庫では、融資の限度額が、


4,800万円になっています。

 


なのでそれを超える部分は自己資金がいってきます。

 

 

したがって、自己資金400万円を投入して、


4,800万円借り入れる、アパート建設計画を立てますと、


公庫の最も長い返済期間15年で、


ローンを組んだ場合(固定金利4%、)、公庫への支払いは、


元利均等返済方式でスタート時(1年目)は、


月36万円の返済で始まります。

 


ところが、アパートの1か月の賃料は満室でも、


40万円(5万円×8)にしかならず、


ほとんどキャッシュフローは得られません。

 


というわけで、月々の収支は赤字すれすれなのです。

 

これが、最悪のシュミレーションですが、


可能性はないとも言えません。

 


これには、共用部分を含めた経費は含んでいません。

 

 

つまり、電気代や固定資産税、火災保険料、管理委託料、


修繕積立費用等を考慮すると、持ち出しになる可能性があります。

 


キャッシュフローが得られるのは、返済の終わる16年目以降です。

 

 

でも、16年目以降になると、


まず設備の減価償却期間が切れてきますので、


必然的に減価償却費が計上できなくなってきます。

 

 

さらに、22年目以降は建物本体の減価償却費も、


計上できなくなります。

 

 

入ってくるお金は下がりぎみなのに、


支払利息分(ゼロ)と減価償却分(ゼロ)になるため、


その分の税金が増えます。

 


退去者が出てくれば、さらに損失が出ます。

 

 

アパートを建築するに当たり、建てた当初は、


家賃5万円で8室入っていたのが、


10年後には5室になっていればたいへんです。

 

 

 

一方、周囲にグレードの高い新築アパートが、


ほぼ同家賃で出現すると新しいほうに移っていきがちです。

 


どのみち、既存のアパートの老朽化も進行しますので、


リフォームをしても家賃を下げざるを得なくなります。

 


現在5万円を10年後には、


家賃を上げるどころか、


4万5,000円程度に落とさない限り、


入居者確保は難しくなります。

 


なんと毎月の家賃収入は、


当初の半分近く(4万5,000円×5=225,000円)になり、


しかもアパートを所有していることで発生する固定資産税や、


管理費などは、そこに人が住んでいる人が、


いようといまいと関係なくかかります。

 


これが、ごく一般的なアパート経営のやり方です。

 


家賃は住宅ローンのように何十年先まで金額が、


決められているわけではなく、

 

家賃もその時点の需要と供給とで、


決まることになるわけです。

 


リスクヘッジの策として、一括借り上げ制度があります。

 

 

しかしこれは、デッドクロスよりも怖いと言われます。

 


やがて、業者さんから大家さんに、家賃引き下げの合意を

 

持ちかけてくるのです。

 


まあ、どんなアパート経営でも、ショバ代(固定資産税)と、


ピンハネ代(所得税、住民税)は払わなければなりません。

 

 

売ろうとしても、古いアパートは銀行融資が付きにくいため、

 

買える人が少ないですよね。

 

 

ローンが付きにくいため現金で買える客を待つか、


現金で買える価格まで、値段を下げなければ、


売れないということになりがちです。

 

 

利益の積み上げができないため、純資産価値も減ってきます。

 

 

木造の建物は、年々減価していき、法定耐用年数の22年で、


貸借対照表の純資産価値は0になります。

 


これで、土地も値下がりしていますと、


バランスシートは知らないうちに悪化して、


債務超過の状態になってしまうのです。

 


資産価値の下落、家賃の下落、入居率の下落、


これが、アパート経営失敗のシナリオです。

 


最も大きいアパート経営の失敗は、


お金がなくなることによって起きるのです。

 


例えば家賃収入が100万円あり、

 

50万円がローン返済だとすれば、


キャッシュフローは半分の50万円です。

 


で、このローンの内訳をみてみますと、


利子分が10万円、元本40万円になったとします。

 

会計上の計算では、家賃収入100万円から利子分10万円引くので、


90万円が利益になります。

 


ですが、実際のキャッシュフローは、


半分の50万円にしかならないのです。

 

 

税金等は利益に対してかかりますので、


経費にできない元本分が多くなると、帳簿上では黒字なのに、


税金等の支払いが増えて、お金がないという状態に陥るのです。

 


これがアパート経営の落とし穴です。

 

 

資金が回らなくなるのは、経費が計上できないのに、


お金の出が増えてくることで起きます。

 

 

つまり利子分(経費)が少なくなって、


ほとんど元本返済(非経費)になると、


必然的に税金が増えてきます。

 

 

さらに、法定耐用年数が過ぎて、


減価償却費という経費が計上できなくなると、


こちらも税金が増える要素です。

 

 

つまり、黒字であれば、黒字の分に税金がかかってきます。

 

 

赤字であれば、キャッシュフローが不足した場合、


銀行借入ができません。

 

 

ここでキャッシュがなければ、突発的な修繕が発生すれば、


対処できなくなります。

 


たとえ、満室で黒字でも、税金が増えて来ると、


手元に残るお金が少なくなってきますよね。

 

 

逆に、資金が潤沢であれば、赤字でも倒産しないと言われます。

 

 

資金繰りが普段から、ぎりぎりの状態であれば、


もし何かあれば、銀行もお金を貸してくれませんので、


資金繰りに行き詰まる可能性が高くなります。

 

 

アパート経営は最初のうちは、うまくいくことが多いですが、


そのうち経営状態がおかしくなることがあるのは、


キャッシュフローが不足するからです。

 

 

アパート経営というのは、一種の不労所得で、


楽してお金が入ってきますので、


自分のお金だと思って使ってしまうのです。

 

 

額に汗して働くという感覚がないために、


容易にお金を使ってしまい、気が付いたら、


いつも、キャッシュが不足しがちになってしまう。

 

 

また不動産投資では、5棟、10棟と急拡大しているときに、


失敗に陥りやすいのです。

 

 

不動産投資家が拡大を徹底的に追求する拡大病にかかり易いのは、


利益率やコスト管理を無視してまで、借入金のレバレッジを使って、


拡張しようとします。

 

 

つまり、成功の指標を見誤ってしまうケースの重症例にあたる。

 


この病に冒された投資家は、ありとあらゆる数字や事実を、


自らの投資の拡張に絡めて考えるようになってしまう危険性があるのです。

 

 

こうなると、世の中に価値を生み出すこと、


正しいことをすること、さらには利益を生むといった、


事業の本質的な仕事でさえ、そっちのけになってしまう。

 

 

拡大熱にかかった経営者は、高い成長率の実現と維持のために、


しばしば投資の本質的なものを見失ってしまいがちです。

 

 

最後に命綱であるキャッシュがなくなり破綻してしまう。

 


物件数が少ないときの方がキャッシュが多かったりします。

 

 

大家になった最初のころは順調に賃貸事業を拡大したのに、


資金が尽きてくると心に余裕が持てなくなってきます。

 


賃貸事業を拡大するにしたがって、


このように手元資金も不足しがちになるときが出てきます。

 


手元資金といってもいろいろありますが、


運転資金といって、これは、不動産投資の拡大により、


物件を購入するたびに、


必要となってくるのが運転資金ですね。

 

 

当然、物件数が増加すると、手元資金が不足がちです。

 

 

というのも、家賃収入が増加するということは、


物件数も増えていき、資金需要も大きくなります。

 

 

そうなると運転資金は必然的に大きくなります。

 

 

この大きくなる分が、先に出費して、


後から回収する形になりますので、


資金不足になるわけです

 

 

 

いわゆる、物件が増えて家賃収入の伸び以上に、


この増加運転資金の需要が発生するわけです。

 

 

家賃収入が増えると、


資金の需要が発生するという感覚が無ければ、


資金繰りに行き詰まってしまう結果になります。

 

 

家賃収入が年々増加しているのに、


資金繰りが厳しいという大家さんは、


物件数が増加していくにつれ、必要となる運転資金が増加し、


それに伴う手元資金が追いつかなくなるからです。

 

そうなると、銀行返済ができなくなってきます。

 

 

同時に、リフォームに回す資金も捻出できなくなります。

 

 

銀行への返済資金が不足してくると、こんどは、


返済のための借り入れを起こさなければならなくなるのです。

 

 

そのためには、銀行から多くの融資を受けられるように、


しておかなければならないはずです。

 

 

銀行から融資を受けられるようにしておくために、


大事なことは、損益計算書の利益を上げて、

 

銀行に儲かっていると数字で示さなければなりません。

 

 

 

利益を多くして行くことが、


貸借対照表の純資産を増やしていくことにつながるのです。

 

 

融資審査で銀行が、不動産投資家の決算書で一番注意して見るところは、

 

この純資産の金額です。

 


この純資産の金額が、年々増えてこないと、

 

銀行は融資を、ストップしてしまうのです。

 

 

純資産の金額は、事業の安全性、


つまり不動産賃貸業が倒産しないで、


継続して利益を上げていけるかどうかを表すものです。

 

 

純資産の金額が小さいと、不動産投資の安定性は低いことになり、

 

そのような投資家へ融資する金額の上限は抑えられるわけです。

 

 

この純資産の額を大きくするには、


利益を大きくして、

 

内部留保を積み上げていくしかありません。

 

 

 

利益の積みあがったものが、内部留保になり、

 

それが貸借対照表の資本(純資産)に、

 

組み込まれていく仕組みです。

 


繰り返しになりますが、家賃収入を年々伸ばすには、


必然的に物件を増やさなければなりませんので、


それに伴う資金不足も生まれがちになるのです。

 

 

したがって、資金調達もしていかなければならないことになるのです。

 


資金調達するためには、銀行に儲かっているのだと、


数字で意思表示しなければ融資が受けられなくなります。

 


純資産の部を大きくしていけるように、


利益をしっかり上げて行かなければ、


銀行から融資が止まってしまうことになります。

 

 

 

しかし、利益をしっかり上げると、


今度はその利益に対して、

 

税金がしっかりかかってくるため、


キャッシュが不足するというジレンマに陥りますよね。

 

 

 

 

アパート経営に失敗する具体例

 

 

アパート経営に失敗する原因は様々です。

 

 

共通しているのは、やはり過当競争で、


都会も地方も新築ラッシュになっていることです。

 

 

国土交通省が発表している住宅着工統計でも、


新築の賃貸物件が毎年50万戸前後のペースで、

 

増えているとなっています。

 

 

賃貸マンションを手がけているハウスメーカーや、

 

アパートメーカーは、毎年売り上げを伸ばすことが、


至上命令ですのでこのような結果になりがちです。

 


もっとも、銀行もお金を貸すのが仕事ですので、


担保が取れるアパート、マンションのローンには積極的です。

 

 

新築の賃貸物件が毎年増えている要因の一つに、


リートと呼ばれる不動産投資法人が投資家から集めた資金を使って、


マンション分譲業者の建てた新築物件を一棟丸ごと買って、


賃貸していることもあげられます。

 


新築の賃貸物件が毎年増えてくると、


競争激化でさらに、空室率が上がり、


家賃の低価格傾向になります。

 


空室を埋めるために、


不動産仲介業者に支払う広告料もアップしてきていますし、


大家さんもフリーレントにしてでも、


入居者を獲得しなければ借入金の返済ができず、


そうなってくると、敷金や礼金は受け取れなくなり、


さらに、更新料も期待できなくなります。

 


土地から購入してアパートを建てるサラリーマンだけでなく、


土地を持っている恵まれた人でも失敗が増えています。

 

 

 

これは、アパートメーカーや建築業者が持ってくる計画に、


そのまま乗ってしまったために、土地代がタダにもかかわらず、


高い建築費を払って結果として、利回り8%といった、


最初から苦しい賃貸経営のスタートを切ってしまうのです。

 

 

またRCでの失敗もあります。

 

 

サラリーマンが手っ取り早く大家さんを目指すにはフルローンや、


オーバーローンで物件を取得しますね。

 


RCは、コンクリート躯体のため、耐震性、耐火性に優れ、


鉄筋さえ錆びなければ、60年以上問題ありません。

 


木造アパートで気になる音の問題も、


RCであれば高い遮音性が確保されます。

 

 

しかし、RCは修繕費や維持管理費が高くなりますし、


お金をかけて大規模修繕を定期的にやる必要があります。

 

 

エレベーターのメンテナンスや消防設備点検も必要ですし、


当然、RCは資産価値も高いために、

 

必然的に固定資産税も高くなります。

 

 

そうであっても、耐用年数が長いので、


毎年経費に計上できる金額である減価償却費も少なくなります。

 

 

また、古くなってくると設備の劣化や水回りが陳腐化してきます。

 

 

そんな物件を売ろうとしても、今度は購入する人が少なくなり、


転売できなくなると、建て替えるにしても、


RCは解体に莫大な費用がかかってきます。

 

 

また、アパートの立地の失敗があります。

 

 

アパートマンション経営で、

 

間違った立地にアパートを建ててしまうと、


入居者が集まらず、とんでもないことになってしまいます。

 

 

ところが、立地が良いところは、

 

たとえ築古のアパートであっても、


入居者に困りません。

 

 

入居者の住みたい場所に、住みたい間取りのアパートを、


建てさえすれば問題ありません。

 

 

他にも、大家さんの税務知識の不足や、


資産運用に関心がない税理士への依存などがあげられます。


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