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担保価値か収益価値か
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2018.04.12 Thursday 21:35
担保価値か収益価値かあれこれ
築28年の2階建てアパートで積算価格は建物がゼロ、
土地2,500万円、合計2,500万円。
一方でこの物件の年間家賃収入が500万円なら、収益価格が5,000万円という値付けされることがあります。
敷地面積いっぱいに建てられた戸数の多い1Kのアパートですと、
収益価格が高く出ますので、これくらいの値段がつくことはあります。
1Kは賃料単価が上がりますので、その分収益価格も高くなります。
この物件のように、積算価格でなく、5,000万円という、
収益価格で値付けされたと思われる物件は多いです。
ローンについての基礎知識として、物件評価があります。金融機関に物件を持ち込むと、担当者はすぐ、
担保価値をはじき出します。
担保価値は土地は路線価で、建物は新築価格から、経過年数を引いた金額になります。
銀行は、その不動産を処分した時に回収できるであろう価値を見ます。
もし返済が滞って、金融機関が不動産を取りあげた場合、
その不動産を売り払って、いくら回収できるかということを考えます。
この金額は、不動産がもつ稼ぎ出す力は考慮されません。
たいていの場合、担保価値よりも収益価値の方が高く出ます。
投資家の関心事は、金融機関がどちらで計算してくれるかです。
最近は、収益還元法で物件価値を計る銀行は少なくなっています。
不動産投資家は、出口までのネットキャッシュフローと、
想定売却価格の合計額を最大化することですよね。これを求めており、
所有期間中のネットキャッシュフローと、
物件売却時の価格を現在価値に割り戻して計算します。年間家賃収入500万円で利回り10%ですと、
収益価格で5,000万円になりますが果たして、この物件の価値は5,000円もあるのでしょうか。
築28年も経過していますので、あと10年もすれば、
使えなくなる可能性は高くなります。建物が使えなくなれば、土地だけの価値となり、
もっとも土地の価格は2,500万円のものを、
収益還元法で5,000万円で買う人は現れるでしょうか。
節税のために買う人もいるかもしれませんが、
先ず2,500万円を超える価格では買わないでしょうし、
収益価格が高いと感じている人ならば、
その物件は路線価ベースまで値下げしないと、
売れないかもしれません。なので、収益物件は、収益価格よりも積算価格が、
妥当な価格と考えるのが普通でしょう。
そう考えると、積算価格以下の収益価格で買える物件を、
探すパターンがいいと思われます。ところが上記の例で、
売買価格で5,000万円のアパートが、
銀行に査定をしてもらったところ、
土地も広く、道路付もよく、6,000万円の評価が出たとします。
この物件を買った瞬間に、
銀行から見ると6,000万円の資産と、
5,000万円の負債がある状態になります。
つまり、1,000万円のプラスの純資産を持つ人として見てもらえます。
これは物件を買い増していく上でとても好ましい状態ですよね。しかし、本当は6,000万円は正しく評価しているといえるでしょうか。
ここで考えないといけないことは、
この5,000万円で購入した物件の本当の価値は、
いくらであるかということです。もしも実勢価格(実際に今売れる市場価格)が4,000万円だとしたら、
相場よりも1,000万円も高く購入してしまったことになります。そう考えると担保価値か収益価値かを見る場合は、
市場価値も考慮に入れるべきだということになります。
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