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減価償却費は、建物と設備を分けると前倒しで償却できる
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2015.02.10 Tuesday 00:29
減価償却費は、建物と設備を分けると前倒しで償却できる
アパートなどの減価償却についてですが、
アパート、マンションを建築する場合、
建物本体のほかに、建物付属設備として給排水設備、
電気設備、ガス設備、その他の設備も、導入することになりますが、
これらの支払いは通常ハウスメーカーや建築業者へ、
一括して支払うことが多いものです。問題は、この給排水設備、ガス設備、
冷暖房設備は、建物本体より法定耐用年数が短いことです。従って賃貸経営を行う上で、こういった設備を、
建物本体と分けることによって、
早期に経費をたくさんあげることが可能になります。
ちなみに、建物は定額法しか採用できませんが、
こういった設備は定率法が使えるために、
前倒し償却が可能になるわけです。
定率法を選択できるということは、
これらの設備を建物本体と区別して、減価償却することで、投資資金を早期に、
回収することができることにつながるために、
賃貸経営上有利に働きます。
アパート、マンションを建築する場合、業者さんは、
それぞれの明細を区分して請求書や見積書を、作成してきます。
なので、これらの支払金額のすべてを、
建物本体の取得価額に含めないように、別々に計上すればいいわけです。
一般的に建物総額の30%位は、設備代金にかかっているといわれています。
建物は定額法しか使えませんので、
定率法のように早期償却ができませんが、
設備は定率法が使えます。なので、定率法なら初期に多く償却しますので、
建物と設備を区分して減価償却するだけで、
節税効果が高くなり、初期投資額を早期に、回収することができるのです。
例えば、6800万円で物件を建築した場合をもとに、
1年目の償却額を計算してみます。(建物4800万円と設備2000万円)である場合。
建物と設備を区分して減価償却した場合
建物 4800万円×0.046(22年の償却率)=220万8,000円
付属設備2000万円×0.142(15年の償却率)=284万円
建物、付属設備合計 220万8,000円+284万円=504万8,000円
建物と設備を区別せず定額法で計算した場合(定額法しかできない)
4800万円+2000万円×0.046=312万8,000円
差額は、504万8,000円−312万8,000円
=192万円になります。
建物と設備を区分して減価償却した方が、
初年度、192万円節税効果が高くなります。ちなみに、定率法を選択する場合には、税務署に対して、
定率法にしますという届出が必要です。届出を行わない場合は定額法を採用することになります。
賃貸事業を始めた初年度の場合は、定率法を選ぶ場合、
最初の確定申告の申告期限までに、
所得税の減価償却資産の償却方法の届出書を、税務署に提出します。
この用紙に定率法と記入するのです。
一方、賃貸事業を始めた年の翌年以降に、償却方法を変更する場合は、
所得税の減価償却資産の償却方法の変更承認申請書を、提出します。
ちなみに、付属設備を取り換える場合、
その付属設備の未償却残高は経費になります。自宅併用住宅の場合は床面積で按分して、
賃貸部分の床面積に相当する分が必要経費になります。また建物等を取り壊した場合、
未償却残高は経費に計上できます。
例えば、建物と附属設備の未償却残高が、100万円であれば、100万円を全て、
その年度の経費に算入することができます。
つまり、それまで行なっていた減価償却は、
その時点で終了するということです。逆に、付属設備は償却期間が短く、
初期に減価償却を過大に計上していますので、
その未償却残高は、早いうちに、ほとんど残らないという短所がありますね。
取り換えたり、破棄したりするときに、
経費計上がほとんど期待できない。
ということです。
いずれにしろ、建物も、付属設備もどちらも、
取り換えたり、破棄したり、解体したりする場合は、
未償却残高はその時に一括で経費に計上できるのです。
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