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アベノミクスでの金融緩和でも、不動産への貸し出しが増えない理由
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2013.04.23 Tuesday 11:52
アベノミクスでの金融緩和でも、不動産への貸し出しが増えない理由について
いくら日銀が金融を緩めても、不動産への貸し出しが増えていないですよ。
不動産への貸し出しが増えないのは、
これまでも超低金利であったということも影響していますが、実は数年前に起こったアメリカの不動産融資に焦げ付きが、
予想以上だということです。
アメリカの金融界で起きた問題は、ヨーロッパ、アジアをはじめ、世界全体に広がり、実体経済にまで影響していると。
アメリカの金融界で起きた問題とは、
サブプライムに端を発した不動産関係の融資の焦げ付きです。アメリカでは数年前、属性の低い階層の人たちに、
与信を与えて、不動産の購入資金を貸し出していた。リスクの高い低所得者にも、住宅を買ってもらおうと、
融資を始めたのが発端です。
住宅購入のためのローンとは、日本でもかつて行われていたのですが、
最初は低い金利で貸し出して、1年後、2年後、5年後、
金利がすごく高くなっていくという変動金利の仕組みです。もちろん、こうしたローンを利用して住宅を購入した人たちには、
当時、アメリカの住宅産業は、日本の建築業界とは違って、
とても繁栄していたのです。つまり不動産の価格が、年々上がっていたのです。
そうすると、金利は上がってくる。
貸す方も借りる方も、サブプライムローンを利用して住宅を購入しても、
1年後、2年後、5年後には、金利は上がっていくでしょうが、
購入した住宅も値上がりして、十分返済に回していくことができたのです。そのようなふれ込みで貸していったのですが、ところが、
アメリカの住宅不動産のバブルがはじけたことによって、
住宅の価格が急落。最初は安かった金利も、年を追うごとに上がっていきます。
そして一方で自分が購入した住宅は、値段がだんだん下がっていくので、
住宅の購入者は、返済のメドが立たなくなり、
それが不良債権となって返済できないという状況。なので、貸し付けていた銀行は住宅を差し押さえ、
住宅を取り上げていったので、次から次へと空き家になっていく。ここまではよくあることです。
お金を貸した銀行が返せなくなったから、
担保に取っていた住宅を没収する。これだけで済むなら傷は浅かった。
ここからが、被害が大きい原因です。
この貸したお金が莫大な額になっていた。
それを銀行は証券にして、つまり、帰ってこない可能性がある債権、
若干でも問題のある債権を証券に換えて、世界中に売り出していたのです。世界中の金融機関は日本も含めて、
たくさんのお金を持っていたので、
少しでも高い利回りの金融商品がないかと物色していたのです。そこにサブプライムローン関係の証券が売りに出されたものですから、
とても利回りがいいということで飛びついて買ったわけですよね。
そのように、日本を含めて世界中の金融機関がこぞって、
この証券を買っていったのです。ところが、ローンを利用して住宅を購入した信用度の低い人たちが、
次から次へと破産していったものですから、
これを債権化して売り出した証券そのものが破たんしまう。そのために、全世界でその証券を持っていた企業、金融機関は、
みな、たいへんな不良資産を抱えることになったわけですね。
日本の銀行も都銀、地銀なども大きな被害を受けたことは、ニュースでも報じられた。
この教訓が、日本をはじめ世界各国に、
影響を及ぼしたという金融恐慌の発端があるため、
多少金利が緩和されても、銀行はそうやすやすと、不動産関係の貸し出しを増やそうとしなかったわけです。
つまり世界が不動産の不況から立ち直れていない。
なので、不動産への融資が、増えてこないのだと私は思います。リーマンショックに隠れて、サブプライムの問題は、
あまり、目立たなくなっていたものですから、
情報機関もあまり取り上げなくなっていた。
しかし、今回の金融緩和でも不動産関係の融資が伸びない原因は、
そこにあると言われています。
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